紫音の心の声―――

渋谷区ファントム大量発生事件

「……どうして……。」

「どうして今日はこんなに苦しいんだろう……。」

「昨日だってその前だって……こんなじゃなかった。」

「最初は辛かったけど……戦えた。」

「勝てた。」

「一緒に戦う仲間もできた。」

「みんなが応援してくれるようになった。」

「絶対負けないって思った。」

「みんなと戦っていけるって….。」

「安心できた。」

「余裕さえ感じていたのかもしれない。」

「みんなと乗り越えられてきたのに……。」

「なのに……どうして?」

(少しの沈黙)

「……もしかして。」

「私……。」

「私たち……。」

「油断していたのかな。」

「……慢心…。」

「自分たちはもう大丈夫だって。」

「負けないって。」

「いつの間にか思い込んでいたのかな。」

「うん……。」

「そうかも……。」

「私は安心してた。」

「みんながいるから。」

「きっと大丈夫だって。」

「甘えていたのかもしれない。」

「だから……私の音は、届かなかったのかな….。」

(また少しの沈黙)

「でも。」

「みんなを守りたいよ。」

「この気持ちは変わらない。」

「だから。」

「私は私らしく。」

「もう一度。」

「純粋に立ち向かうんだ。」

(静かな呼吸)

「起きろ。」

「起きろ。」

「起きろ紫音。」

「――起きろ、私。」

「目を覚ませ!」

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